加藤 真弓[理学療法学専攻]
『勉強力をみがく』(著者:梶田正巳氏)の内容を少し紹介します。 学習によって身につけられる能力は「見てわかる力」、「生みだす力」、「問いを立てる力」の3つであるそうです。今回は「見てわかる力」に注目したいと思います。 例えば…として紹介しているのは、多肢選択テスト。多肢選択のテストでこれが正しい、あれが間違っていると判断し正しい答えを「見て選ぶ」のは、「見てわかる力」を試していると言われています。選択肢のある穴埋めテストも同じであると思います。この「見てわかる力」は、能力の一部ではあっても、本当に深い力であるか…、これは識者によって見解が分かれるそうです。 日常的なことでは、例えば、毎日使っている日本語も、見るとなんとなくでも意味の分かる言葉もあるが、適切に理解し日常で思ったとおりに使えるかというと、決してそうではないという ことも述べてあります。 学生の皆さんが勉強している専門的なことで言うと、例えば、「筋紡錘」や「錐体路」という用語は、文字を見たり言葉を聞いたりすると「わかっている」と思うでしょうが、どのようなものかを説明し、さらに用語を適切に使えるかというと、うまくできないという経験があるのではないでしょうか? とすると「見てわかる力」だけでは、不十分そうですね。つまり、「見てわかる力」は本当に深い力かというと、そうではないと私は思います。 前期試験で上手くいかなかった、臨床実習で指導者の先生の質問に答えられなかった…などなど、と思っている人は「見てわかる力」はあるけれど、他の2つの力を使えていないか十分に身につけられていない可能性があるかも… 後期も始まりました。皆さん、勉強の仕方はいかがでしょうか。
教員リレーコラム