教員リレーコラム

「オンライン授業のメリット・デメリット」

種田 陽一[作業療法学専攻]

今年は新型コロナ禍で大変なことになっていますが、大学の講義に関しても3密を防ぐためにオンライン授業ということになりました。本学では学長をはじめとする幹部の決断が早かったため他大学に比べかなり早期の4月20日から開始さています。オンライン授業は私だけではなく大学のスタッフの方々にとっても初めてなので、最初は多少の混乱はありましたが何とか軌道に乗っています。私は学習のためには聞く・見る・書くの三要素が必要と考えて、今まではしっかりと板書してきましたが、オンラインではこれがほぼ不可能になりました。しかし、教科書にマーカーで線を引くだけでも学習効果があるとの説もあり、学生にはあらかじめ講義の要旨を講義ノートとして前日に送り、板書していた事項は全てスライドにして、これに授業で解説を加えることにしました。名市大に在籍中私は、医師会や薬剤メーカーに頼まれて関節リウマチに関する講演を沢山行いましたが、結局私のオンライン授業は講演と同じことをやっていると言うことになりました。そのために講義ノート作りとスライド作りにかなり時間がかかり、主に土・日の休日にその作業を行いました。 そこでオンライン授業を行ってみた感想を述べたいと思います。デメリットは学生の顔が見えない、学生の反応がわからない。講義が終わってから質問に来る学生の質問がメールになって、少し間延びがするなどありますが、メリットも結構あって、講義ノートや資料をあらかじめファイルとして送れるので、講義前に印刷して講義中に配るとすればその手間が省け、紙もインクも使わないので教員にとっても大学にとっても省エネになっています。また学生に提出してもらう出席カードに講義で学んだ感想を書く欄があり、講義の理解度がある程度わかり、講義に対する評価としても参考になります。 今年はコロナ禍のため期末試験が1カ月延期になりましたが、その時点で学生からもっと勉強をしたいので講義で使用した画像のスライドが欲しいとの要望が出てきました。私はMacのKeynoteを使っていますが、これをPower Pointに変換すると約倍の50-60MBになってしまい、果たしてこんなに大きなファイルをGoogle classroomの添付資料として送れるのかと心配しましたが瞬時に送れました。Googleのシステムは優れものです。結局、講義の中の臨床医学22回分の講義スライドを5分足らずで学生に送ることができました。 来年度、もしコロナ禍が終息して対面授業になると出席の確認は教室で行うことになると思いますが、Google classroomを利用した資料を送るシステムは、本年と同じように使用したいと考えています。新型コロナの一日も早い終息を祈るばかりです。
TOP