鳥居 昭久 [理学療法学専攻]
今回の私のぶつぶつコラムは、長くてくどいよ!(笑) 前回(9月)のこのコラムでは、「2020年と、その後に向けて、私は3つのCで行こうと思います。それは、Change, Courage and Challenge です。」と書いたけれど、気が付いたら、早くも2020年になって一か月が過ぎようとしています。 さて、私としては、3つのC、すなわちChange, Courage and Challengeを、新年に改めて強く心に決意したところです。自分を大きく「変える」ために、「勇気」を持って「挑戦」すること。これが、今年の大きなテーマです。 人は成長とともに、「自分を変えたい」「変わりたい」という願望を持つことが少なくないと思います。様々な課題に対峙し、自分の無力感を感じながら、努力が強いられる人生劇場。 「自分は、もっと、こうありたい…」 と、思うことが少なくないと思うのです。 そして、一方で、自分自身を変えることはとても難しいと感じることも多いですね。 自分が目指すものに変わろうとすること、変わるというのが、「変化」なのか、「成長」なのかはともかく、自分が目指すものに行きつくことは、「自己実現」という言葉にもなるかもしれません。さらに、自分を変えることが良いことかどうかも不安ですが、現状に満足せず、常に成長することの意味で、自分を変えていきたいと感じています。 昨年、某プロジェクトでの自己目標に「自己実現」という言葉を挙げたのですが、さて、ここで実現すべき「自己」とは何か?という課題が見えてきた。そもそも、実現すべき「自己」もわからずに「自己実現」が目標とは笑止千万ですね。ただ、その「自己」を見つけることそのものが「自己実現」への一歩でもあろうかと感じたところでした。 ともかく、自分を成長させる、変化させる、ということは退廃的に変わろうとしているわけではないので、確実に前に、もしくは上に向かって進もうとする一歩であるはずですから、「自分を変えてみよう」という働きかけは、きっと「自己」の発見につながり、やがて「自己実現」への挑戦になるのだろうと思っています。 そもそも、「変わる」ことの意義や必要性はなんでしょう。 人によって性格や好みも違うから、ずっとずっと「変わらぬ」姿勢を貫くことが信条の人もいれば、常に新しいことを見つけては変化し続ける人もいる。それを考えると、「変わる」ことが良いかどうかは私もわかりません。ただ、私の中では、ここ数年の様々な思いから、この辺りで少し変わってみるのも必要なのかもしれないと自然に湧きおこってきた気持ちです。だから、今年は自分を変えてみる努力をしてみようと決意したわけです。 どう変わるかって?…それは秘密です。 世の中には、変わらぬ味、変わらぬ技…云々、と、変わらずに脈々と受け継がれる伝統というものがありますね。しかし、よくよく聞いてみると、その伝統のものも、実は日々変化しているのだそうです。「進化している」と言っても良いかもしれません。 いくら伝統のものであっても、その時代や社会背景が変化しているから、伝統のものそのものも変わらざるを得ない部分も少なくないようです。ただ、変わらないというのは、その伝統の中にある「魂」というか、「精神」というか、根幹を成す「核」のようなものが変わらないのだろうと思うのです。 この話を考えてみて、自分自身を改めて見直してみます。 そうです、私自身の根幹にある「魂」というか、「精神」というか、「生き方」、「信条」は変わることは無いと思えるのです。いや、たぶん変わりません。これら、心の奥に秘めている根本的な「核」になるものは変わりません。この先、どんな環境、どんな職場、どんな境遇にあっても、自分自身の「核」になるものは変わらずに、すなわち自分らしく生きることには変わらないのです。 では、何を変えるのでしょう。50年以上の人生の中で、多くの経験の中で培ってきた私の「魂」というか、「核」になるものを維持しつつ、大きく挑戦することによって何かが変わるのです。こんなことでは、「なんと、いい加減な!」…と叱られるかもしれません。 でも、今年は、大きな挑戦によって変わった自分の何かを楽しみにしていこうと思っています。 ところで、大きな「挑戦」に必要なものは何でしょう? …それは、「勇気」だと思うのです。この「勇気」がなければ、挑戦はできませんが、ここが問題です。根本的に弱虫の私に「勇気」が湧いてくるでしょうか?「勇気」はコンビニエンスストアにも、ホームセンターにも売っていません。もちろん、「勇気」を出す薬も有りません。 そうですね、「勇気」は自分の中から湧き出てくるものです。 今も昔も、私の人生の中で、「勇気」が湧き出てくるためのきっかけになるもの、それは、私の目の前にいるヒヨコたちの笑顔です。それぞれが随分大きくなってきたようで、まだまだ自分の翼では飛び立てないヒヨコたちを見ていると、このヒヨコたちのために「勇気」を出そうという気持ちになってきます。ヒヨコたちの姿を見ているだけで、弱虫で、へたっている自分の心のどこかから…「がんばれよ!」って、声が聞こえてくるのです。 そうです、これが「勇気」が湧き出してくる瞬間です。ここ数年、若干疲れ気味で、時々息切れを感じて、ヒヨコたちの笑顔も若干遠くに感じる時も有るけれど、やっぱり可愛いヒヨコたちの笑顔が私に「勇気」を湧き出させてくれています。 そして、今年は、その「勇気」が、さらに「挑戦」する力になり、そして、自分を「変えて(成長して)」いく力に繋がっていける、そんな年にしたいと思います。 私は、この学校に来て、はや四半世紀になろうとしています。 気が付いたら、一番の古株です。 たくさんの偉い人が頭の上を過ぎていきましたが、私はこの小さな学校の番頭として、常に変わらない思いでヒヨコたちと過ごしてきました。本当に長い期間において、基本的な「核」になる熱い気持ちは変わらずにやってこられました。 ヒヨコたちと笑って、ヒヨコたちと泣いて、いろいろな経験もしてきました。もちろん、ヒヨコたちからたくさんの勇気をもらえました。 大人たちの都合でいろいろな仕事をしてきたけれど、いつもそこにいるヒヨコたちに対しては感謝の気持ちでいっぱいです。 ヒヨコたちがいるから、自分も成長できたし、いろいろな経験をすることができたのだろうと確信しています。そして、たくさん勇気が沸き上がってきて、色んな事に挑戦してこられたのです。 本当に、ヒヨコたちに感謝の気持ちが絶えないですね。 これから先、新しい大地、新しい大海、新しい大空で、たくさんのヒヨコたちに出会うことになると思います。ヒヨコたちの笑顔に勇気をもらって、感謝の心を忘れずに、前に進んでいこうと思っています。 たくさんのヒヨコたち、そして、お世話になった多くの人たちに感謝しています。 ありがとうございました。
教員リレーコラム