鳥居 昭久 [理学療法学専攻]
「いまどきの…」で始まる言葉を使いだすと、年寄りになった証拠ですね。でも、「今どきの若い者は…」と、ついつい言ってしまう事が多くなってきています。これは、自分自身が年齢を重ね、自分の若かった時…学生と対比すると約40年前(><)、そして、その後の様々な学生の様子を見たりした経験から比較してしまうことだろうから、仕方ないとは思います。この学校に入職して24年目にもなると、24回新入生を見てきて、23回卒業生を送ってきたわけですから、それぞれの代の学生たちを思い出すと、ついつい比較してしまいますね。 さて、私は、四半世紀にわたってこの学校の成長をみてきたけれど、自分自身はどう成長してきているだろうか?…人生の後半戦から終盤戦に差し掛かり、野球で例えたら8回表を迎えようとしている今、自分としては何ができるであろうか?と感じるこの頃です。8回表に根拠は有りませんが、まだ最終回ではないだろうし、と言っても、序盤でも中盤でもないとも思います。それにラッキーセブンの7回でもなく、人生、そろそろ終わりも意識する時期であろうと思い、8回表かなと思っているだけです。 この8回表の攻撃、どんなことをしていくのかは、この人生野球の試合状況が、7回裏までが勝っているか、負けているかにも寄りますね。人生の試合に勝っているのか、負けているのか…本当のところは自分自身でもよくわかりません。ただ、幼少期から少年期、青年期、成人期、壮年期と振り返ってみても、酷い経験が少なくないわけではありませんが、総じて今は負けてはいないかもしれないとは思います。どちらかというとドンくさい私は、ドカンと先制され、何とかかんとか追いつき、でも、またドカンと引き離されて、そして、7回裏にやっと、何とか、同点になって、まだ負けてはいない気がします(よかった…)。 この人生試合の流れは、自分の力というよりも、多くの人との出会いがあり、多くの人に支えられて、加えて、人生的にラッキーなこともたくさん有ったからでもあると思います。本当に、多くの人に感謝ですね。もちろん、自分自身としても、座右の銘、人生の信条として「一生懸命」に取り組んできたことだけは、ちょっとだけ、こっそりと胸を張りたいなと…。 多くの人に感謝を感じるのですが、偉い先生や家族や同僚などとは限らないです。実は、「いまどきの若者」に対しても、日々戸惑いながらも、たくさん刺激をもらって、その刺激が私の成長の糧にもなっていることは間違いないので、その点では、「いまどきの若者」にも、たくさん、たくさん感謝すべきだなぁ…と、思っています。 私は、基本的に、「いまどきの若者」である学生たちと何かをすることが本当に好きです。 なにしろ、この学校での仕事の中で、最も生き甲斐を感じることは、学生と一緒に活動することと言っても過言ではありません。組織の中での地位や、高い名声よりも、右も左もわからなくて何にもできない輩とともに、一緒に汗を流し、涙し、笑って過ごすことに絶対的な魅力を感じています。学生とワイワイやることについて、「いい歳をして…」と非難されることも有りましたが、自分の生き甲斐であることを他人にとやかく言われる筋合いは無いはずなので、好きなことは好きでいいと思っています。時々、熱心に指導しすぎて、辛い経験をすることもありましたが、「いまどきの若者」の多くは、一生懸命に接したら、ちゃんと成長してくれています。 昨年夏までの女子野球部の指導は、本当に、私の生活の柱でもあったし、パラスポーツサークルなども楽しい活動です。一般の講義よりも、部活・サークル活動や、卒業研究など、学生たちと直接的に何かに取り組むことは本当に楽しく、「いまどきの若者」と対峙することで、心の底からエネルギーが湧き出てきていましたね。担当から離れちゃったので、エネルギーが涸れかかっていますが…。 最近、日常的に関わっている学生たちだけが、私に刺激をくれるとは限らないことを感じました。これから進路を決めようとする高校生を対象にしたオープンキャンパスで、参加してくれた受験生が、私の話を聞いて「良かった」と感じてくれ、それが本学を選ぶきっかけになったと聞いた時に、この単純なオッサンにはエネルギーが湧いてきました。私は、少しは「いまどきの若い者」に伝わる言葉も持っているのかもしれないと、嬉しくなってきましたね。その子たちが、大きな夢を抱いて本学に入学してくれると、さらに嬉しいです。 さて、人生8回表の攻撃、どう戦うか?…ようやく、追いついてきた人生試合を、ここで大きく変えなくてはならないと感じています。ここで、息切れせず、前を向いていくことです。 2020年と、その後に向けて、私は3つのCで行こうと思います。それは、Change, Courage and Challenge です。自分を変えること、そして勇気をもって挑戦することです。 自分を変えることは容易なことではありません。しかし、ひとかけらの勇気を持って挑戦しなくては、変えることもできないでしょうね。私自身が、「いまどきの若者」とともに成長できるように、勇気を持って自分を変える挑戦していこうと心に決めた秋です。(全日本大女子野球、Betzのかわいいヒヨコたちはこの夏も頑張っていました)