教員リレーコラム

人のふり見て…

加藤 真夕美[作業療法学専攻]

1年次の開講科目「レクリエーション」を担当して3年目になります。 初年度は、私に務まるかしらと不安でいっぱいだったことを覚えています。 今までの勤務経験は、介護力強化病院(かつての病院区分です)、介護老人保健施設などなど。 高齢者の集団レクリエーションの実務経験だけは、自慢できるほどあります。 実務経験はおそらく十分。でも大人数の学生さんに教えるとなると…。 前任者が、学生の主体的な学びを引き出すアクティブ・ラーニングの形態を展開されていたので 引き継ぎました。毎年改良を重ね、「自分の授業」になってきている感触があります。 さて、4月から始まった今年の授業。 対象学生は、同じく4月に入学してきたばかりの62名です。 全15回の内の前半は、屋内レクリエーションです。 9つすべてのグループが、教科書を参考に、レクリエーションを企画し実施します。 自分たち以外の50数名を相手に、おそらく人生初のレクリエーション指導です。 念入りに計画を立て、教員による計画書のチェックを受けました。不十分な点は再検討です。 そして十分な時間をかけて準備、練習をしました。 一般教養科目と言っても、将来の技術に繋がりうる分野。妥協はしません。 頑張っていたグループは休憩時間や空き時間にも集まって、準備していましたよ。感心、感心。 さて本番。9グループあるので、1班20分、1日に3グループずつ実施してもらいました。 1週目。一生懸命練習を重ねていたグループもありましたが、いざ皆の前に立つと、どきどき。 司会者の仕切り方、司会以外の担当者の動き。一生懸命さは伝わりました。 でも、ここはこうしたら良いのになあと思うことが多々ありました。 特に司会以外の担当者は、所在なさげな場面もありました。 2週目。司会者の、指示の仕方が洗練されてきました。 参加者一人一人がどう動くと良いのか、が良く伝わるように工夫されていました。 前週のグループのレクを体験し、この1週間で工夫したのが良く伝わってきました。 一方、司会以外の担当者の動きにぎこちなさが残り、役割分担がまだまだの印象でした。 3週目。司会の仕切り方、司会以外の担当者の動き、どのグループも洗練されていました。 司会以外の担当者は、周りで準備をしたり、参加者のフォローをしたりと、実は大切な役割を担っているのです。 前の週のグループをモデルとし、あるいは反面教師とし、それぞれに成長する姿が見られました。 まさに、学生さんたちが相互に学び合い成長する場面を目の当たりにした3週間でした。 授業は残り1ヶ月です。レクリエーションを切り口に、全体を見渡し必要な人に必要なサポートをすること、チームの中の自分の役割を考え適宜動くこと、自ら学び具体的な成長につなげること、これらの能力を少しでも身に着けて頂けたらと考えています。
TOP