舟橋 啓臣[理学療法学専攻]
今年は花の咲く順序が例年と違っていた。春が近づくと、先ずレンギョウ、コブシ、タンポポが咲き始める。 とくにコブシは青空に向かって真っ白な花を、拳を開いた時のような形を見せて咲き誇る。 それと相まって、桜の開花がどこそこで宣言されたと、テレビがどのチャンネルでもやかましい。 同じ頃にハナミズキが一斉に花をつけ、名古屋の歩道を白やピンクに彩ってくれる。 ところが今年は、桜が3月に開花したかと思うと、あっという間に満開になり、数日で散ってしまった。 階下から1週間くらいしか見られなかったように思える。桜の後に他の花々が咲き始めるという、異常な順序になった。 今(4月中旬)はハナミズキが見事に咲き誇っており、我が家のツツジがほぼ満開状態である。 この頃、火山が噴火するニュースが頻繁に伝えられ、地震もあちこちで起きている。 プレートのひずみが原因だとは頭では理解しているが、気象情報では海の潮流の蛇行、ラニーニャ現象、 日本では以前はあまり耳にしなかった竜巻、頻繁に起きる不安定な気圧配置による発雷等々、異常気象や地球規模の異変が止まらない。 温暖化のせいだとわかっているのに、世界情勢がCO2軽減に向けた努力を進ませない。 最近で気になるのは、世界中が宇宙開発にしのぎを削り始めたことである。 今やロケットは1回だけでなく、帰還したものを再利用するという時代に突入している。 技術の躍進が貢献し、コストがこれまでの半分で済むそうである。 恐らく、人型ロボットをロケットに乗せて衛星に着陸させ、様々な実験や物質の採取に関わる日が来るものと思える。 人類社会は狩猟→農耕→工業→情報社会へと移ってきたが、これからは超スマート社会を目指すという構想が、Society 5.0で報告されている。 第5期科学技術基本計画によれば、第5の社会とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、 経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会、と説明している。 実現するにはAIやIoTが介在することになるため、敢えて人間中心の社会と断っているに違いない。 このSociety 5.0が現実のものとなれば、今後ますます深刻化する労働力不足にも対応できることになりそうであるが、 ヒトの存在価値は次第に薄れていくことになりはしないか?恐ろしい社会になりそうだ。 この地球を痛めつけることを控えたらどうだ!空気を汚し、海を汚し、山や地層を削る・・・。 本当に大切な、可愛そうなこの地球。
教員リレーコラム