教員リレーコラム

「子どものころの夢」

臼井 晴信[理学療法学専攻]

台風が来ましたね。 自転車がひっくり返ったり通勤に3時間以上かかったたり、 暴風雨の中娘を病院に連れて行ったり、選挙の投票に1時間並んだり・・・ ・・・それ以外は何も被害はありませんでした。 「ドンドンドン!!」 風のせいで、外で何かが音を立てていました。 娘は花火と思ったらしく、「花火みる!」とカーテンを開けます。 シャッターを閉めていたので何も見えません。 「今日は花火じゃないよ。台風だよ」というと、 「台風見る!台風見る!!」と。 「台風は見るものじゃないよ」(シャッターを開けたくなかったので)。 最近娘のブームである、『がんこちゃん』のビデオを見ました。 さて、台風というと・・・ 私は小さいころの将来の夢は「台風」でした。 南の方で生まれて、大きくなりながら日本に近づいてくる。 ニュースで出てくる大きな丸い目の雲の画像とか、 日本地図に向かってズンズン伸びてくる進路予想の丸いやつ。 そして、日本中のテレビを独占して脚光を浴び、傘をひっくり返して、 ピンポンピンポンと我が物顔で警報などの速報を出させる。 そういうのがカッコよく感じてたのだと思います。 小学生のある日、大きな台風がきました。 暴風警報が出て学校は休みになり私は大喜び。 マンションの窓の前に椅子を置いて、台風を見ていました(娘のこと言えない)。 地元の滋賀県はあまり台風の直撃が少ないところです。 その台風は珍しく強いまま滋賀県にやってきました。 びわ湖から徒歩10秒のところにある我が家。 隣のガソリンスタンドからドラム缶や看板などが飛んできました。 私は少し怖くなってきました。 さらに台風が近づくと、風はもっともっと強くなりました。 家の前に合った大きな木が、何本も倒れました。 悲しくなりました。 その時私は思いました。 私がなりたいのはこんな乱暴なやつではない。生き物を傷つけるやつではない。 十数年後、私は台風ではなくて理学療法士になりました。
TOP