教員リレーコラム
「新型コロナはこれからどうなるのか?」
種田 陽一 [作業療法学専攻]
昨年来の新型コロナウイルスの猛威が収まらず、現在は第4波と言われる感染の拡大が見られたため、関東・関西地区では4月25日から再び緊急事態宣言が発出され、愛知でも5月12日より再び発出されることになりました。これで3回目となりますが、前回と違うのは変異ウイルスが占める割合が特に関西圏で多いことで、他府県でも増加の一途をたどっています。この変異株の特徴は感染力が強く、若い人にも感染しやすく重症化するスピードが速いことです。この現状を見ると、現在ワクチン投与が高齢者を中心に行われていますが、このワクチンは変異前のウイルスに対するもので、変異株では少し効果が劣ると考えられます。また変異株の蔓延により16歳以下の人に対する接種も考える必要が出てきました。それでも今のワクチン接種が終了する頃には感染は徐々に減少していくと考えられます。感染する人が多ければ多いほど変異株の発生する確率が高くなるので、これを防ぐためには世界的レベルでのワクチン接種を考えなければなりません。感染の沈静が遅れると現在のワクチンでは全く効果がない変異株が現れることが予想され、再び新たなワクチンを開発し接種する必要がでてきます(現在すでに行われている様ですが)。この様ないたちごっこの繰り返しで、新型コロナが現在のインフルエンザ並みの感染症となるためには、現在は存在しない新型コロナ治療の特効薬が開発される必要があります。これらのことを考えるとワクチン接種は2−3回、インフルエンザ並みになるのは5年近くかかるかも知れません。整形外科学の講義は来年もオンラインの可能性が高いと思います。
※本記事は、5月11日に執筆されたものです。