教員リレーコラム
「不自由...不安...そして希望」
加藤 真夕美 [作業療法学専攻]
まだまだ新型コロナウイルスの影響が収束する気配がありません。感染され療養中の方々や不自由な生活を余儀なくされている方々が、早く今まで通りの生活に戻ることができますように。そしてお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
前回の松村先生のコラムにもありましたが、身近な影響といえば、短大行事の軒並みの中止や縮小、研修先の介護施設の一時的な仕様変更、そして小学生の息子に来た早すぎる春休み。
突然にして4年生の登校が最終日となってしまった2月28日の夕方、仕事から帰宅した母を見るなり「大変なことになったよ...とだけ発してわんわんと泣き続けました。「もっと友達と遊びたかったもん」「もっと先生と一緒にいたかったもん」と30分。抱きしめる母の腕の中でぐずり続けたのでした。そうだよね。長い休みは嬉しいはずなのに、あまりにも突然で、しかも学年最後ならなおさらだよね。ランドセルの中には、この2週間に学ぶはずだった大量のプリント...。
1週間経った今は、有給休暇を消化しつつ時間との勝負で毎日のやりくりに頭が混乱状態の母の横で、まったりモードの息子。さすが我が子。
そしてデマから端を発した異常とも言える日用品不足。3月8日現在、近くのスーパーではまだまだトイレットペーパーの棚が空っぽです。ティッシュペーパーは、ポケットティッシュや高級品などは少しずつ在庫を見かけるようになりました。ネット情報では、物流の停滞はそれほど長引かないだろうとの予想。とはいえ何物にも替えがたいはずのものが目の前に全くない状態が続くのは、ひどく不安と緊張感を掻き立てるものだと、今更ながらに気づかされました。
仕事帰りの車中で、ペーパー類の過剰な買い占め報道を聞き、その日立ち寄ったスーパーの棚が既に空っぽだったのを目の当たりにした最初の日、我が家では「ペーパー類使用制限令」を発令しました。何とも不自由な生活かと思いきや、何とかなるものですね。ティッシュに手をかける度、本当に必要なのかを自問自答し、箱に戻すという繰り返し。家族の努力の成果で、この1週間で減った在庫はいつもの何分の一かでした。普段必要以上の買い溜めをしないのでヒヤヒヤでしたが、このペースなら物流が正常化するまで持ちそうという予感がしてきました。そこで反省。普段は物が当たり前にあるという状況に慣れきって、いかに無駄遣いをしていたのかと。物が当たり前にあることのありがたみをしみじみと感じた1週間でもありました。喉元過ぎれば何とやら...とならないよう、気をつけねば。
さて、このコラムが掲載される翌日は、花の卒業式です。やはり縮小され会場が変更となりました。謝恩会も中止となりました。最大の変更点はご家族と在校生にご出席頂けないことでしょう。20歳前後という青春真っ只中の貴重な3年間(4、5年間?)をお預かりさせて頂いた者達の責務として、しっかりと晴れ姿を見届け、社会へ送り出したいと思います。
卒業生の皆さんは、入学以来、本当によく頑張りました。自身の弱さと不器用さにひたむきに向き合い続けた学生生活だったのではないかと思います。その努力がいつか花開きますように。いえ、皆さんなら必ず。
心から、ご卒業おめでとうございます!
今まで本当にありがとう。