教員リレーコラム
「自信があってもなくても」
横山 剛 [作業療法学専攻]
新しい年が始まり1ヵ月ほど経過しましたが、いかがお過ごしでしょうか。
私は年始に誓願したことがありますが、やり遂げる自信はなくても継続をしています。よく「自信がないからできない」ということを聞きますが、果たしてそれは正しいのかと考えてみると、正しいとは言えないと気づくでしょう。
何かをするときに、すべてがやり慣れたことばかりではなく、経験したことがない初めてのチャレンジが必ずあります。「経験したことがない」→「自信がない」→「できない」とまだやってもいないうちにブレーキを踏もうとすることはありませんか。更に「できないかもしれない」「チャレンジして失敗したらどうしよう」「チャレンジした時間が無駄になるかもしれない」とその続きを持ってブレーキを踏んでしまうと、もう行動が起こせなくなりますね。こういった傾向が確かに私にはあります。これを打破するために「好きだからする」「嫌いだからしない」「恐いからしない」というように自分の感情で判断しないことが大切であると学びました。
先日、令和2年大相撲初場所が幕を閉じました。この場所では、幕尻(幕内最下位)の力士、德勝龍(とくしょうりゅう)が初優勝しました。優勝インタビューで、「(優勝を)めっちゃ意識していた。自分が一番下(最下位)であるから恐いものは無かった」と話していました。勝負の世界ですからその勝敗には様々な要因が働いているのでしょうが、恐れずに一日一日、一番一番を精一杯取り組んでいたのだろうと思います。優勝の表彰式の時はもちろん初めての経験でしょうから、どこに行けば良いか、どこに立てば良いかなどのことまで指導を受け、それに従っていました。ここでも初めてのことを恐れない初優勝の幕尻力士の清々しい姿を見ました。ですから「自信があってもなくても」、確かな指導を受けながらチャレンジし続けることが大切なのだと思います。
現在臨床実習中の皆さん、これから臨床実習や国家試験に臨む皆さん、そこに臨むことは初めてのことかもしれませんが、指導を受けながら「自信があってもなくても」恐れずに準備し、恐れずに精一杯取り組んで欲しいと願っております。初めてではない方々も「自信があってもなくても」その中で恐れずに新しいチャレンジをして欲しいと思います。応援しております。