教員リレーコラム
「ワクワク、ドキドキにサンキュウソーマッチ 」
石黒 茂 [作業療法学専攻]
この秋、久々にワクワク、ドキドキしてテレビの前にかじりついた。もちろん熱中して観戦したのは、ラグビーワールドカップ2019日本大会の試合である。新聞で「日本中に感動と希望をもたらし、こんなすばらしいスポーツがあったのかと楽しませ、・・・」と書かれた記事を見たが、まさにそのとおり。本当に、世界のトップレベルの試合は凄い。にわかファンの私でもすばらしさを実感した。
1980年代にスクール☆ウォーズが流行った頃は、高校でもラグビーは人気があった。ラグビーにはケガがつきものであり、泥まみれで汗臭い。男らしいが、どう見てもスマートなスポーツではない。そういったこともあってか。だんだん人気も下火となり、私が高校を去る6年前頃には、ラグビーをする高校生も減ってしまっていた。高校男子の行うスポーツと言えば、サッカー、野球、バスケットボールである。廃部となったラグビー部も少なくない。
とはいえ、先回のワールドカップの南アフリカ戦での劇的な勝利や池井戸潤原作のテレビ番組「ノーサイドゲーム」が人気を博し、ラグビーも一時期に比べ注目されるようになっていた。そういう素地があったとしても、ワールドカップが始まる前に、これほど注目されるようになるとは誰も思わなかったのではないだろうか。そこには、アイルランドやスコットランドなどの強豪チームを破り、まさか、まさかのベスト8入りを果たした日本代表チームの快進撃と、出場選手の見事なパフォーマンスがあったことは見過ごせない。愛知県出身の選手もチームの中心となってよく頑張った。
決勝トーナメントに進む前に、日本代表チームで活躍していた一人の愛知県出身の選手を取り上げたテレビの特集があり、興味津々番組を見ていた。名古屋市の公立中学校出身というその選手は、ラグビー部でお世話になった顧問の先生から送られた卒業時の言葉を大事にしていた。世の中には立派な先生がいるものだと思った瞬間、見覚えのある顔がテレビに映し出された。20数年前に勤めていた高校の卒業生であった。教員特有の性で、これは我がことのようにうれしかった。このこともあって、決勝トーナメントの試合観戦には余計熱が入った。
台風がもたらした二度の大きな被害をはじめ、気が滅入る暗いニュースが続く中で、立派な先生になった卒業生の育てた選手がグランドで躍動し、魅惑的な「ジャッカル」を行う姿にワクワク、ドキドキさせてもらえた。Thank you so much!