愛知医療学院短期大学

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教員リレーコラム

「第9回日本認知症予防学会に参加して」

山下 英美 [作業療法学専攻]

 先週末10月18日(金)~20日(日)の日程で、第9回日本認知症予防学会学術集会が名古屋市で開催されました。全国規模の学会が地元で開催されるとのこと、演題発表も準備して、ワクワクしながら参加しました。

 作業療法士・理学療法士の職能団体としての学術集会は、主に同じ専門職が集まってそれぞれ関心のある分野・テーマの知識を得て研鑽を積む場となると思いますが、この認知症予防学会は「認知症の予防」というテーマに関心のある様々な職種・団体・企業・一般の方々が集い、様々な出会いのある、とても刺激的な学術集会です。例えば、ある会場では血液中のバイオマーカー(身体の状態を客観的に評価するための指標)を用いた認知症の早期発見のための取り組みについて、化学式を用いて説明しているかと思えば、その隣の会場では若年性認知症の当事者の方が、認知症に優しい街づくりとはというテーマでご自身の体験を交えて講演されていたりといった具合です。
 私はといえば、食事に関するIADL(家事動作などの手段的日常生活活動)と認知機能の低下の関連を発表したのですが、同じセッションには、栄養や嚥下(飲み込み)に関する発表があったりと、いろいろ勉強になりました。

 さて、学会参加でのもう一つ楽しみは、情報交換会(懇親会)への参加です。作業療法士の集まる学会の懇親会では気後れしてしまう私ですが、この学会では全く違います。そもそも自分を知っている人がほとんどいない(作業療法学会でも、まぁそうですが...)ので、どんどん積極的に話かけ、名刺を頂きます。今回の変わり種は兵庫県でNPO法人を立ち上げ、認知症予防の劇団を引き連れ日本全国を回っておられる方。元MR(製薬会社の営業マン)で現在は認知症予防のアクテビティを様々に組み合わせて提案し、自分でもギターを弾きながら研修会を開いている方。といったような面々で、お二人とも定年後に活動を始められたそうです。

 認知症予防として社会参加活動が良いことは知られていますが、認知症は発症する10年以上前から脳内で変化が起こっていることが明らかなので、私もいつ発症するかわかりません。認知症になっても安心して暮らせる街に住みたいと思いますし、できれば認知症の発症を遅らせたいと思います。そのためにも、積極的に人と交流し、様々な知識を得て、ワクワク感を持ち続けたいです。認知症予防学会に参加して、認知症予防活動をしてきたなーと振り返っているところです。

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