教員リレーコラム
前向きになる言葉を
草川 裕也 [作業療法学専攻]
先日の放送で最終回を迎えましたが、俳優の綾野剛さんが主演の「コウノドリ」という産婦人科を舞台にしたドラマが放送されていました。綾野剛さんは鴻鳥(こうのとり)という産婦人科医を演じられていたのですが、鴻鳥先生の一言一言にいつも私は心を打たれました。
特に印象に残っている言葉は、病気を持って生まれてきた赤ちゃんが、NICU(新生児の集中治療室)で点滴などのたくさんの管に繋がれて治療を受けている姿を見ているお母さんに言った言葉です。
「赤ちゃんに繋がれているたくさんの管は赤ちゃんが今、一生懸命に頑張っている証です。頑張り屋さんの赤ちゃんを誇りに思ってください。」
素晴らしい一言だと感動しました。
赤ちゃんつらそうだな、大変そうだな、頑張れ!という思い、言葉は出ますが、これほどお母さんが前向きになる、赤ちゃんが聞いていても勇気が出る、そういう言葉は掛けられないと思います。
医療関係者として、サポートする人として大切な言葉であり、この言葉を掛けられる鴻鳥先生は、本当に立派な医師であると感じました。
最近、「ディスる」という言葉がインターネット上で使われ、毒舌や辛口コメントなどがテレビでは流行っているように思います。コメンテーターの方などは、それを仕事としており、学校や職場など、人を育てる必要がある場所においては、辛口コメントが必要な時もあるかと思います。
けれども、辛口コメントを言い続けたり、聞き続けたり、「ディスる」ようなコメントばかりを見ていると、明るい気持ちにはなれません。元気に頑張ろう!とはなりません。
とても悲しいですが、テレビや新聞やインターネットを見ていても、明るいニュースは少なく、戦争がいつか起こるのではないか、自然災害に襲われるのではないか、そのような不安なことを考えてしまいます。
だからせめて、少しでも明るく過ごしていけるように、前向きに考えていきたいと思っています。
鴻鳥先生のように、簡単に前向きになる言葉が出てくることはありませんが、毎日心がけていきたいと思います。
来年から評価実習が始まるOT専攻2年生の皆さん、少しでも対象者の方が前向きになる言葉を 掛けられるように頑張ってください。
そして、総合演習試験、国家試験を控えている3年生の皆さん、少しでも友達が、クラスメイトが頑張り続けられる言葉を掛け合ってください。
最後に、皆様、来年も素晴らしい年でありますようお祈り申し上げます。