教員リレーコラム
「今年も木工作業をしました」
横山 剛 [作業療法学専攻]
今年も基礎作業学実習で木工作業をしました。限られた時間の中で作業を進めていくことは、大変なことであります。今年も作業療法学専攻1年学生各自がオリジナルの本立てを作製しました。デザインを図面におこし、実際に板に木取りし、のこぎりで切断、かんながけ、やすりがけ、仮組み立て、組み立て、塗装...、といった工程を順に行い完成に至りました。
可塑性に乏しい(修正が困難)木材を様々な工夫をしながら設計図(目標)通りに仕上げていく作業です。思いもしない失敗に後から気づかされたり、設計を変更せざる終えない状況に遭遇することがしばしばあり、この木工作業は人生の歩みに似ていると常々思わされております。
計画通りに物事が進まないことや思った通りの結果が得られない時、人は大きなストレス状況下におかれます。けれども唯一絶対のやり方などはそもそも存在しえないのですから、その都度示されたことから修正していくことが可能です。一々ストレスに反応しそのストレスに打ち勝とうとしなくても、今限られた自身の身の丈でまずは精一杯取り組んでみることが大切であると思わされています。
人は一人では生きてはいけない、ということは頭では分かっていても、実際には人は失敗しないようにと努力したり、失敗を他人にはバレないように隠そうとし、一人で物事をやり遂げようとします。そのような中にあっても自分一人で抱え込まずに相談して分かち合い、現実的な支援を受けながらやり遂げていく経験は、いずれ学生たちが支援者となる時に非常に大きな力を与えてくれるはずです。そのような経験をしている学生たちは素敵なセラピストになっていくのだと確信しています。
≪学生たちの作品の一部≫