教員リレーコラム
いつの間にか73歳
舟橋 啓臣 [理学療法学専攻]
何と、この6月で73歳となる。いつのまにか、という感覚である。
いわゆる後期高齢者と言われる75歳を目の前にして、自分の来し方を簡単に振り返ってみる。
よくもまぁ走り続けてきたものだ、というのが実感である。65歳までは第一戦の外科医師をしながら、
第二外科の頃は講師・内分泌外科研究室のチーフとして、県立多治見病院では院長として、研究室員や患者さんのために、
身を粉にして働いてきた。定年後は愛知医療学院短期大学のために、良かれと考えたことはスピーディに取り入れ、
悪習は排除するよう努力してきた。ところで、短期大学は今や経営的に生き残ることが難しい時代になってきているが、
その最たる理由は学生確保が容易でなくなった点にある。日本の人口分布上、若者の占める割合がどんどん減少してきている。
短大ばかりでなく4年制大学においてすら、入学学生数充足が至難となってきているのである。この状況をどう見るか。
今や、若者の労働人口が減少し、特に中小企業では働き手を確保するのに汲々としている。
居酒屋産業などはその最たるものであり、時給を上げたりして何とかアルバイトなどを確保しようと躍起である。
すると、目先のことだけを考えている若者にとっては、安易な道が開かれているわけである。
大学をいとも簡単に中退する学生が少なくないのは、こうした社会的経済状況のせいと考えざるをえない。
すなわち、世間を知らない若者たちが、社会のひずみにいとも簡単に落ち込み、犠牲となっていくのである。
これを是正することこそ、教育の力であり、教職員の腕の見せ所であろう。73歳になろうとしているわが身でも、
教育に役立つよう、ガタがきた身体に鞭打ち歯を食いしばって、この混沌とした社会を乗りきるよう努力していくしかない。