教員リレーコラム
「秋深し、隣は何を思う人ぞ...」
鳥居 昭久 [理学療法学専攻]
人間は、多少の差はあれど、とかく人の目を気にしてしまう性が有る動物であろうと思います。
あの人は、どう思っているのだろう、この人は、何を考えているのだろう、...と。そして、誰もが、他人には良く思われたいという願望があるのが普通であろうと考えてしまいます。
でも、中には、他人の目は全くお構いなしで、マイペースに生きている人も居ないわけではありません。誰が何と言おうと、誰がどう思っていようと関係ない、むしろ、他人が何を思っているか?なんて思いそのものが無いのかもしれない。私のように、まわりのことが気になって仕方ないような小さな人間には、とても羨ましいくらいの人たちです。時には「空気が読めない」などと陰口をたたかれても、一切気にならないようですから、有る意味素晴らしい。
さて、一方で、まわりのことが気になってしまう私は、いつも他人の目を気にしながら生活しています。毎日、かわいい学生たちと接する中で、学生たちにとって、いい先生で居たい。学生たちには好かれたい。学生たちに悪口言われたくない。などなど...。有る意味情けないような、でも本音がそこには有ります。そして、こんなことを言ったら、どう学生は感じるのだろう...などと、深読みしながら、毎日、おびえながら、いわゆるビビリながら生活しています。
冷静に考えてみると、自分の子供たちと変わらない世代の学生と、齢50を超えたオッサンとは、考え方、感じ方、価値観、あらゆる面で違うことが多いのは当たり前で、気にしても仕方ないことは分かっているのですが...。
でも、一見、怖い先生、ガミガミ親父、理不尽なオッサン、などなど...を演じているのですが、本当は、心の中は、毎日おびえながら、学生に嫌われたくない、いい先生でいたいなどと...本音と、見た目の間の中で葛藤しているのですよ。
受験シーズンに入ってくると尚更です。受験生たちが、どう考えているのだろう、どう感じているのだろう...オープンキャンパスや学校説明会の度に、ドキドキしながら、おびえながら、高校生たちに媚びを売っている私です。(もちろん、受験生に嘘は言ってはいませんよ。)
今日も、自分の人間としての弱さを感じつつ、でも一生懸命見栄を張り、自分の弱さを出さないように、堂々とドンと構えて、エネルギーを使い果たしながら仕事している...。ドンと構えていても、この子たちは何を考えているのだろう?などと心の中でつぶやきながら...。
秋も深まってきました。