教員リレーコラム
夏は夜?
横山 剛 [作業療法学専攻]
清少納言、枕草子の一節。
「夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、螢の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。」
これを分かりやすく訳してみると、
「夏は夜がとてもいい。満月の時期はさらにいい。暗やみもなおいい。蛍が多く飛びかっているのもいい。一方、たった一匹二匹のようにかすかに光ながら蛍が飛んでいくのもいい。雨が降るのも趣がある。」ということになるだろう。日本には四季があり、それぞれに趣・風情のある様や過ごし方がある。
私は半世紀近くを生きてみて、夜遅くまで起きていることは難しくなってきた。その代わりに朝にはめっぽう強く、特にこの時期は朝の目覚めは大変いい。以前は早く目覚めることを気に病んでいたが、読書することやラジオを聴くことの習慣を獲得したことでお得な気分になっている。毎日の活力を得るような感じがするのである。そこには枕草子のような夏の趣は無いかもしれないが...。
この後の秋、冬は早起きは難しくなることも予想されるが、その時期にあった過ごし方を過ごせたらいいかもしれないと思う。人の人生というものもそうなのかもしれない。