教員リレーコラム
「新しい環境」
木村 菜穂子 [理学療法学専攻]
だんだんと年齢を重ねていくと、まっさらな「新しい環境」に飛び込んでいくことは少なくなるように思います。
子どもの頃は、幼稚園を卒園したら小学校、小学校を卒業したら中学校、そして高校、大学...と決まった年数(大学は様々ですが)が経つと、再び知らない人がたくさんいる環境に放り込まれます。ですが、社会人になるとその経験はガクンと減ります。
私は、本来この「新しい環境」に馴染むのに時間がかかる方だと思います。中学3年で兵庫⇒愛知への転校を余儀なくされた時、転校先のみなさんはとても優しく接してくれましたが、切り替えがどうもうまくいかず、自分自身が周りに馴染むのを拒否していたように思います。今となっては、その経験(失敗といっていいと思います...)が後の「新しい環境」への適応の仕方を変えさせ、今の自分があるとは思えますが、やっぱり「新しい環境」への苦手意識は変わりません。
来週から、1年生は臨床実習(見学実習)に行きます。初めて一人っきりで学校の外に出て、実際に理学療法士や作業療法士が働いている医療の現場に行って学ぶわけです。きっと、これまでに感じたことのない不安やとまどいもあると思います。動物は、「知らない環境」を恐れます。当然ですよね、だって、何が起こるか分からないのですから。だから、いろいろと探索し、失敗して学んで、自分にとって不都合ではない環境であるとわかって初めて安心する訳です。
実習に行く学生さんも、最初は恐る恐るその「新しい環境」を探索することでしょう。でも大丈夫!野生動物と違って、皆さんの命を脅かすようなものはありません。
愛知医療学院短期大学の学生として、一人の理学療法士や作業療法士を目指す学生として、現場で,指導者の先生方やそして患者さんから多くのことを学び、色々なことを感じてきてください。
今、課題だ、試験だ...と何のためにこんなに苦労しているのか、わからなくなってきている人も、その苦労を超えた先にあるものを見てきてください。そこは、最終ゴールではありませんが、まずはそこを目指していくわけですから。
みなさんが「新しい環境」でいろんなことを体いっぱいに吸収し、また学校に戻ってくるのが楽しみです。