教員リレーコラム
陶芸をはじめました
加藤真夕美 [作業療法学専攻]
最近、陶芸を習い始めました。
土をこねてお皿などを作る、あれです。
臨床時代に陶芸の機会はなく、学生時代に数回授業で経験したきり。
かれこれ二十数年...。
学生時代は、基礎の荒練りさえもたどたどしく、
見かねた陶芸家の先生が手伝って下さったほどの腕前(?)です。
さて、この度のきっかけは娯楽...ではなく、
後期から陶芸の授業(※編集者註)にお手伝いとして入るための特訓なのでした。
まだ数回ですが、荒練り・紐作り・電動ロクロなど、他の受講生と共に基礎から学んでいます。
これがとにかく楽しい!
土と戯れている間は、本当に土だけに集中できます。
この、土と自分だけが占有できる時間と空間の心地良さ。
もちろん、すぐそばに他の受講生がテーブルを囲んで同じ作業をしているので、
時に作業そっちのけで会話もしますが。
ところが、突然横に現れた先生が
くっつけたはずの紐(状の土の塊)をびろ~んと引っ張り上げ、
「加藤さん、これは全然だめ」と笑われるので、現実に引き戻されるのでした。
始めの1周目は先生の説明通りに実践するのですが、
土と戯れ、他の受講生とおしゃべりしているうちに、始めに聞いた注意事項など空の彼方。
先生は、「できるだけ失敗してほしい」と言われます。
失敗することで、補修の仕方を学ぶことができる。
すると、臨床で実践するときに、対象者が失敗したときのフォローができる。
そもそも、どうすればどうなってしまうかということがわかっていれば、
対象者が失敗しないような配慮があらかじめできる。
それにしても、よく失敗し、聞いたこともすぐ忘れてしまう、この受講生。
8ヶ月後にそれなりにお手伝いができるのか不安...なのは、きっと先生の方でしょうね。
※編集者註:本学のリハビリテーション学科作業療法学専攻では、
「基礎作業学実習」という授業で、陶工(陶芸)の実習を行います。
(この授業では他に、木工・革細工などについても学びます。)
ここで学んだ知識・技術は、リハビリの現場で活用されます。