山田 南欧美[理学療法学専攻]
皆さん、「はらぺこあおむし」という絵本をご存知ですか?もとは海外の作品ですが、つい先月、その著者であるエリック・カールさんが91歳でお亡くなりになりました。この絵本は世界中で愛され、もちろん私の娘も大好きな絵本です。あおむしがいろんな食べ物を食べながら成長していく姿はとても愛らしく、出てくる食べ物も美味しそうで、何より最後綺麗な蝶々に変身するところは、本当に鮮やかです。正直、本物のあおむしは苦手ですが、さなぎになって綺麗な蝶々になるのは素敵だな、と、子供に絵本を読みながら思っていました。 そして先日、主人の実家の畑でとれたラディッシュを調理しようとしたところ、立派なあおむしが中に潜んでいました。「うわー、どうしよう、触れない…」なんて思っていましたが、いつも楽しそうにはらぺこあおむしの本を読む娘のことを思い出し、「よし、綺麗な蝶々にしよう!」と飼うことを決意。もちろん虫かごなんて我が家には無かったので、発泡スチロールのトレイにラディッシュの葉っぱと共に入れて、風通しの良いベランダに置き、毎日観察をしました。あおむしはどんどんラディッシュの葉を食べ、途中、キャベツの葉も追加。何の蝶々になるかはわからないし、もしかしたら蛾かもしれないし、ドキドキヒヤヒヤしながら、娘と一緒に成長を見守りました。 ある日、あおむしの身体に糸みたいなものが巻き付いており、無知な私は「わ、なんか蜘蛛の糸がついちゃった!」と無理やり取ろうとしましたが、茎とぴったりくっついてしまって取れず。ぐいぐい動かしてしまいましたが、これはさなぎになる準備だったようです。「やばい、私が動かしたせいで蝶々になれないかもしれない…」と後悔しましたが、そこからはひとまずそっとしてまた観察。そして、さなぎになって1週間程度経ったある朝、「あ、ちょうちょ!」見守り続けたさなぎは素敵なモンシロチョウになりました。蝶々に変身したのを見て、娘も大喜び。私がぐいぐい動かしてしまっても、負けることなく力強く蝶々になってくれて、とても感動しました。 モンシロチョウは、ベランダに洗濯物を干している間にどこかへ飛んでいってしまいました。小さなベランダから、大きな世界に羽ばたいていきました。絵本からあおむしに興味を持った娘や私ですが、貴重な体験ができて、自分も頑張って成長しなきゃな、と奮い立たされた数週間でした。また今度虫かご飼おうかな。
教員リレーコラム